北海道白糠町役場 企画財政課 ふるさと納税推進係主査 渡邊敦史(わたなべ・あつし)/1993年生まれ、北海道出身。埼玉の大学に進学、大学院修了。東京の民間企業を経て、北海道に戻り白糠町の臨時・非常勤職員に。2020年に正職員となり一貫して、ふるさと納税業務に携わる(撮影/篠塚ようこ)
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 全国各地のそれぞれの職場にいる、優れた技能やノウハウを持つ人が登場する連載「職場の神様」。様々な分野で活躍する人たちの神業と仕事の極意を紹介する。AERA2023年9月18日号には北海道白糠町役場 企画財政課 ふるさと納税推進係主査 渡邊敦史さんが登場した。

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 北海道東部の海沿いの町、白糠町。人口約7200人の小さな町だが、ふるさと納税の寄付受け入れ額では4年連続で全国第4位を達成した。

 返礼品を伴うふるさと納税を始めた2015年に1億6千万円だった寄付金額は、22年度には148億円にまで増加。成長の舞台裏で地道な努力を重ねてきたのが、白糠町役場の企画財政課ふるさと納税推進係の職員たちだ。その中心人物として手腕を発揮し続けている。

 太平洋に面しており、食材には恵まれている。イクラ、サーモン、毛ガニ──。事業者がこだわりの手法や製法でさらに価値を高めた「白糠ブランド」が返礼品だ。

「質の高い返礼品を準備してくれる事業者と、まちづくりを応援してくれる寄付者に恵まれているからこそ、この結果につながっているのだと思います」

 とは言え、役場の積極的な広報戦略が寄付やリピーターの獲得につながっているのも事実だ。たとえば、町の特産品を自身が食べてみた感想などを添えたメルマガを週に2回配信する。

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