町に親近感を持ってもらうことも忘れない。事業者が主催するイベントに積極的に顔を出し、紹介する写真も掲載。自身の顔写真も付けて、顔なじみという印象を持ってもらえるよう工夫してきた。

 メルマガやふるさと納税のサイトに届く口コミやレビューには、原則として24時間以内に返答する。一つとして同じ返答はしないという徹底ぶりだ。

「口コミをくれた人の地域がその日猛暑日だったら、体調を気づかう一言を入れたりします。相手のことをいろいろ想像しながら、丁寧に返事を書いています」

 口コミやレビューは事業者にとっても貴重。商品の改善や従業員のモチベーション向上につながっているという。

 昨年からは役場の体制や事業者の取り組みを参考にしたいと、視察に訪れる自治体も増えた。ふるさと納税がどの自治体にとってもいい形となるようにと、視察の依頼は基本的に断らない。寄付額トップクラスの自治体の視察も受け入れた。

「いつも町民のことを考え、行動するのが私たちの役割です。私を採用してくれた町のために、これからも精いっぱい働きたいです」

(ライター・浴野朝香)

AERA 2023年9月18日号

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の『このミス』大賞作品は?あの映像化人気シリーズも受賞作品って知ってた?