そんな思い出話を交わした矢野くん、今は構成作家になってクイズ番組やラジオ番組を作ってるという。こんなところで再会するなんて。「お互い頑張りましょう」なんてことを言ったかどうかは忘れたが、矢野了平くんは今や頑張り過ぎちゃってすっかり売れっ子放送作家なのだ。

 その2年後くらいに文化放送局内にあるメディアプラスホールという会場で「平成噺し座」なる若手の落語会に呼ばれた。局を借りてのイベントだ。文化放送は四谷にあると思ってたのに浜松町の真新しいビルになっていて驚いた。さすがラジオ局、セキュリティがしっかりしている。受付の女性に名前と行き先を告げると、カードを首からかけさせられた。南青山は「ちーす」みたいなかんじだったが。楽屋に行くと主催者から「佐藤さんという方が面会希望だそうです」とのこと。??? 誰だ? 「久しぶり!」相撲部の佐藤くんだった。「えー、落語聴きにきたの?」「いや、ここは弊社のホールだから(笑)」……「弊社」。そんな言葉使ったことないや。「なにそれ?」「いや、文化放送に勤めてるんだよ。今日川上くんが来るって聞いたからご挨拶に」。相撲部の佐藤くんは同級生で、高木くんと同じ中学出身。私と高木くんが仲良くなり二人で落研を始めたことから、佐藤くんとも親しくなった。相撲部の練習がないときは落研の部室にきて、ペヤングソースやきそばを食べたり、ナイススティックを食べたり、今聴いてるラジオ番組の感想を言い合ったり、少年マガジンの『BOYS  BE…』を読んで「こんなのあるわけねーよっ!!」と羨ましがったり、ときどき私の落語を聴いてもらったりしていた仲だ。

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