それにもかかわらず、国民にお金を出さず、逆に増税する岸田政権は異常です。正気の沙汰とは思えません。岸田首相の判断は冷静な経済的、財政的判断ではなく、「財政を均衡させてなくてはいけない」という「財務省の教義」に捕らわれているのだと思います。

 経済が厳しく景気をよくしていく必要がある中で緊縮財政を実施するなど経済政策としてあり得ません。財務省の主張はもはやカルトです。私は財務省のことを「ザイム真理教」と呼んでいます。

――トリガー条項を発動すると国民の生活に混乱が生じる、というのが政府の立場のようです。

 混乱なんて生じるわけありません。ルール通りにやればいいだけです。トリガー条項は、レギュラーガソリンの1リッターあたりの価格が160円を3ヶ月連続で超えたら、臨時増税分の25.1円の課税を止め、価格を下げる。そして、130円を3か月連続で下回れば、課税を戻すというとてもシンプルなルールです。混乱のしようがありません。

 混乱が生じることがあるならば、対策を講じておけばいいだけです。「混乱が生じる」という政府の答弁は9年前から同じと報道されていました。ルール通りにやっていれば、今ごろガソリン価格は、150円半ばくらいでしょう。国民もその効果を実感できたはずです。

 ちなみに、9月使用分の電気・ガス料金が各社で値上がりします。政府はこれまで1キロワットあたり7円の補助金を出していましたが、9月使用分から半分の3.5円に減らします。9月に入っても暑い日が続いているので、10月にびっくりするような請求書が来ると思います。

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池田勇人元首相の1575日を抜く可能性