今年のペナントレースも残りわずかとなり、ストーブリーグの話題も徐々に出始める時期となった。フリーエージェント(FA)やドラフト、現役ドラフトなど移籍にかかわる話題が盛り上がる一方で、必ず出てくるのが自由契約となる選手である。その中から他球団で現役を続行することができる選手はごく一部であるが、昨年オフに生き残った選手の現状はどうなっているのだろうか(成績は9月5日終了時点)。
日本人選手で最も戦力になっているのが三上朋也(DeNA→巨人)だ。1月に育成選手として巨人に入団。開幕から二軍で結果を残し、5月には支配下登録を勝ち取っている。ここまで22試合に登板して防御率4.60という数字を見ると微妙だが、これは9月2日のDeNA戦で5失点を喫した影響が大きく、6月から7月にかけては11試合連続で無失点、トータルでも18試合が無失点としっかり結果を残しているのだ。DeNA戦での炎上で再び二軍での調整となり、34歳という年齢を考えると去就は微妙な状況ではあるが、存在感を示したことは確かである。チームの投手陣が苦しい状況なだけに、まだチャンスはありそうだ。
投手でもう一人、一軍の戦力になりつつあるのが沢田圭佑(オリックス→ロッテ)だ。オリックスでは通算126試合に中継ぎとして登板し7勝、31ホールドをマークしているが、昨年6月にトミー・ジョン手術を受けて長期離脱。オフに自由契約となり、ロッテが獲得した。今年5月に実戦復帰を果たすと、二軍戦での成績はそれほど目立つものではなかったものの、投球内容が評価されて7月には支配下登録。8月には一軍に昇格し、ここまで8試合に登板して1勝、3ホールド、防御率1.17と見事な成績を残している。ストレートは150キロを超えるまで回復しており、与えた四死球も0と持ち味の制球力の高さも光っている。チームはリリーフ陣の故障者が目立つだけに、このままの投球を続けることができれば、来季も貴重な戦力になる可能性が高いだろう。