香港の日本総領事館前で、日本政府に対し、処理水の海洋放出撤回を求めて抗議する親中派政党のメンバー
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 東京電力福島第一原発から出る処理水の海洋放出が8月24日に始まると、中国は日本の水産品の「輸入全面禁止」を即座に打ち出し、25日ごろからは中国からとみられる大量の嫌がらせ電話が福島をはじめ各地の飲食店などにかかってくるようになった。こうした状況に、日本政府はどのような対応を取るのがいいのか。 

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 27日だけで30回程度の電話があったという福島県いわき市の飲食店主がこう話す。

「『もしもし』と日本語で言ってくるので、こちらも応じると中国語でまくし立てられ、まったくわからない。着信拒否しても発信先が次々にかわるので効果なし。ディスプレーに86と中国の国番号が表示されることが多いので、電話をとるのをやめました。ただ、お客様の予約の電話もあり本当に迷惑しています」

抗議電話の動画をアップ

 中国のSNSでは「福島真相」「日本大使館抗議」「中国抗議電話激増」などのキーワードがトレンドにあがっていた。

 実際に中国から日本に抗議の電話をかけているシーンを動画撮影してSNSにアップしている人もいる。ある動画では福島県内の電話番号が映し出され、冒頭に「もしもし」といい、その後は中国語で、「どうして汚染水を放出するんだ」「原発の汚染水は毒だ」「こんなひどいことをして、もう日本料理は食べないぞ」などと大声で叫んでいる。

 他には、「毒を放出するな、海が死んでしまう」「日本に徹底的に嫌がらせしてやる」などと言っている動画もあった。

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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上海の日本料理店「不思議とお客は減っていない」