インボイス制度に反対するデモ活動をする英会話講師ら=2023年7月28日、東京都千代田区。様々な立場の人たちがインボイスに反対の声をあげている

 経過措置とは当初の3年は、これまで全額認めてきた仕入税額控除の8割はなお控除を認めるとするものだ。消費税率10%の商品なら8%は控除でき、新たな負担は2%で済む。

「それが小さいとは言いませんが、それぐらいなら当初はかぶってもいいと思う経営者は多いでしょうね」(永井氏)

 どうやら先送り模様でのスタートとなりそうだが、そんな人間心理はお構いなしに「ツール」はどんどん進化をし続ける。

 Sansanの請求書管理サービス「Bill One」は、インボイス開始を前に新機能を追加した。請求書をサービスに乗せると、何と「適格請求書」の要件を満たしているかどうかを自動判定してくれるというのだ。

 項目はもちろん内容もチェックしてくれる。登録番号は国税庁の検索システムに連携させて確認し、その番号に紐づいている事業者名と取引先名が一致しているかまで見てくれる。

「インボイスだけではありません。登録番号の記載がない場合は、現行制度での請求書要件を満たしているかどうかも判定できます」(同社の担当者)

 とすると、免税事業者を「塊」として把握できるということか。利用する企業の使い方によっては……。(編集部・首藤由之)

AERA 2023年9月4日号より抜粋

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