千葉大学大学院・野波健蔵特別教授(c)朝日新聞社 @@写禁
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 4月22日、首相官邸の屋上にドローンが落下、取り付けられていた容器から微量のセシウムが検出され、騒動となっている。厳重に警戒されている首相官邸に、やすやすと侵入したドローンとは、簡単にいうと遠隔操作で飛行する小型の無人ヘリコプターのようなものである。ヘリコプターのラジコンが進化したものと考えていいだろう。

 ドローンそのものは非常に便利だ。小型軽量で地形に影響されずに狭い場所にも入っていける。実際、福島第一原発の廃炉作業にドローンを活用する計画も進んでいる。他にもさまざまな用途での活用が見込まれており、世界のドローン市場は約155億円とも言われている。すでに日本でも個人が数万円でドローンを購入できる。

 そのドローン研究において、日本の第一人者が千葉大学大学院工学研究科・工学部 特別教授の野波健蔵氏だ。野波教授は1980年代から自律制御ロボットの研究を進め、ドローンの研究もその延長線上に位置している。野波教授の研究は机上に止まらず、すでに社会で大きな役割を果たしているところが特徴的だ。1990年代半ばには、紛争地帯に残された地雷撤去を行う多足歩行ロボットや海底測量用ロボット、送電線の高所点検作業用ロボットなどの開発を手掛け、各地で実績を積んでいるのだ。

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