「一流」ほどうまく上司を立てる
──では、「上司の指示を無視して自己流でやる」「上司の言うとおりにする」以外の方法となると、どうでしょうか? 一流の人は、どうやって現状を打破しているのでしょう。
横山:まず、「一流」の定義ですが、私の中では、「会社でナンバーワンの成績を出せる人」というイメージで考えてみました。
私もこれまで、企業のトップで働く優秀な人たちを見てきましたが、彼らに共通しているのは、そもそも、「上司の言うとおりにするべきかどうか」はあまり気にしていない、ということです。
──気にしていないというのは、どういうことですか?
横山:社内でトップレベルの人たちのマネをしたり、それこそ、『時間最短化、成果最大化の法則』の著者・木下社長のような一流のやり方を勉強したり……。
「上司が言っていることに納得できない」とか、そんなことは正直言ってどうでもいい。
とにかく上司を凌駕するほどの成績を出し、上司を黙らせる。
圧倒的な成果を出し、誰にも文句を言われない環境を自分でつくる。
優秀な人ほど、これが実行できていると思います。
──なるほど。ただ、上司の言ったとおりにしないと、「こうやれって言ったのに!」と、怒られるようなイメージがあったのですが……。
横山:言ったとおりにしないで怒られるのは、成果が出せなかった場合がほとんどじゃないでしょうか。
だって、部下が努力して、期待以上の成果を出せたのに、「なんで言ったとおりにしなかったんだ!」と怒るなんて、よっぽどのダメ上司ですよね(笑)。
──言われてみれば、そうですね(笑)。そうか、成果が出なかったから、「俺の言ったとおりにすればよかったのに!」と怒るわけですね。
横山:それに、私自身の経験や、コンサルタントとして調査してきた経験で断言できることですが、そもそも上司って、自分がどんな指示を出したかなんて、いちいち覚えてないんですよ。
忙しくて、説明するのが面倒だから、「いいからやっといて」と、適当な指示を出しているだけ、という場合も多いんです。
──そうなんですね。管理職って、指示したことは全部覚えているし、そのとおりにやってくるかどうか、ものすごく目を光らせているようなイメージがありました……。
横山:そこまでマイクロマネジメントする人は、あまり見たことないですね。