むしろ、「とりあえずこうすればいいんだよ」とか、「前回の資料があるから、そのとおりにやっといて」と抽象的な指示で、どんな指示をしたかすら忘れてしまう人のほうが多いんじゃないかと思います。

 だから、自分の中では、したたかに「上司の3倍の結果を出してやる!」と目標を持っておき、目標達成の方法は、いろいろな情報から学びつつ考える。

 上司に言われたやり方を参考にしてもいいし、社内トップの人のマネをしてもいい。

 本書に書かれていた、目標達成術を実践するのもいいと思います。

 結果が出せたら、「課長の言うとおりにやったら、うまいこといきました!」と、上司を立てておけばいい。

 それを続けていけば、「こいつは何も言わなくても結果を出せるから、放っておこう」と、面倒なことは何も言われなくなります。

──なるほど。誰にも文句を言われない環境を自分でつくるというのは、そういうことなんですね。

「一流」のビジネスエリートほど、
「やり方」にこだわらない

──なんだか、「上司をどうするか」ばかり考えて、視野が狭かったなと、反省しました。「一流」の人は、上司の顔色を伺うのではなく、「いかに成果を出すか」にこだわり続けているからこそ、一流なんですね。

横山:「あり方」に焦点を当てる「一流」と、「やり方」に焦点を当ててしまう「二流」。

 一番大きいのは、この違いではないでしょうか。

 本書にも「必ず目標達成する人の思考アルゴリズム」というテーマがありますが、必ず目標達成する人は、「あり方」にフォーカスしています。

「あり方」とは、その仕事の最終形、あるべき姿、目的地のことです。

「あり方」は一つしかありませんが、その「あり方」にたどり着く「やり方」は無数にあります。

「やり方」は正直なんでもよくて、上司が言ったことも、本に書いてあることも参考にするし、ケース・バイ・ケースでいろいろな打ち手を試し、何がなんでも目標を達成する。

「上司の指示に納得いかない」と言い続けているうちは、上司の言いなりになる働き方から逃れられないので、なかなか成果を出せるようにはならないでしょう。

 『時間最短化、成果最大化の法則』には、一流の人たちに共通する思考アルゴリズムがまとめられているので、まずはここに書かれている法則を一つずつ実践していけば、少しずつ成果も出せるようになるかもしれませんね。