元東京地検特捜部検事で“ヤメ検”弁護士の郷原信郎氏もこう批判する。

「澤田副学長の言動については、検察官出身の弁護士がメディアで厳しく批判していました。私も会見を見ましたが、重要な証拠になり得る押収物を一定期間、澤田副学長自身が保管していたというのだから、弁解の余地がないことは明らかでしょう。澤田副学長の態度からは、ある種の検察官が抱く特権意識が垣間見えました」

 検察の持つ巨大権力については言うまでもない。場合によっては警察の捜査を指揮することもあり、起訴か不起訴かの判断は基本的に検察が独占している。捜査機関の頂点に立つと言っても過言ではない。

「澤田副学長はネットなどで態度が不遜だ、横柄だとも批判されています。しかし、あれは現役の検察官や検察OBには、よく見られる態度です。巨大な権力を持っているのは検察という組織であるにもかかわらず、『自分も強大な権力を持っている』と勘違いしてしまう。検察官は世の中をよくするために法律を使うのではなく、ひたすら有罪を勝ち取るために使い、検察の権力維持に尽力します。そんな姿勢でも、現職の検察官が批判されることなどめったにありません。そのため、自分を客観視できない。専門用語をちりばめて高圧的な態度で会見に臨めば、世論の批判は簡単に沈静化すると本気で思っていたのではないでしょうか」(郷原氏)

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ヤメ検弁護士と検察の「裏交渉」