日本大学副学長の澤田康広氏(撮影/唐澤俊介)
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 日本大学のアメリカンフットボール部の男子部員1人が大麻と覚せい剤を所持していたとして逮捕された問題で、同大の澤田康広副学長の言動に批判が集まっている。

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 8月8日に開かれた会見で、澤田氏は仏頂面で対応。証拠品を「ブツ」、違法薬物を入れる袋を「パケ」と表現するなど専門用語を乱発。一部マスコミは「あり得ない会見」と報じ、ネット上でも澤田氏の態度を非難する声が相次いだ。

 大学側は、7月6日に行った調査で「大麻の可能性がある植物片」を発見しておきながら、12日間にわたって放置していたことも発覚。これについては、澤田氏が植物片などを保管したことが自らの口から語られ、犯人隠避や証拠隠滅の疑いまで指摘された。

 澤田氏は元検察官。2018年3月に宇都宮地検の次席検事を退任すると、日大法学部の教授として迎え入れられた。ちなみに、アメフト部の反則タックル問題が起きたのは同年5月、田中英壽・元理事長が東京地検特捜部に脱税容疑で逮捕されたのは21年11月なので、一連の不祥事が発覚する前に着任している。

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 東スポWEBは8月14日、「日大アメフト部会見で注目の澤田康広副学長 ネットとは真逆…学生たちからの〝評判〟」との記事で、「法学部の学生からは慕われていた」と報じた。もちろん、人間には多面性があり、面倒見のよい一面もあったのだろう。それにしても“ヤメ検”の澤田氏が「空白の12日間」という疑惑を持たれたことに、「信じられない」とあきれる法曹家がいることは確かだ。

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井荻稔

井荻稔

ライター。福岡県出身。大手新聞社で主にサツ回りとしてキャリアを積んだあと、主に週刊誌やネットメディアで記事を執筆。フィールドはカルチャーから政治まで広いがゆえに、逆に得意分野はなし。趣味は映画鑑賞と暴飲暴食。

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