郷原氏は「関電の問題と日大の問題は、同じ構図が透けて見える」と言う。
「1人の法曹家として事件を正しく分析し、『悪いことは悪い』と指摘する姿勢に欠けていました。関電でも日大の問題でも、検察OBの弁護士や法学部教授は、どちらも問題点を積極的に公表したり、捜査機関に報告したりすることはしなかった。結果、『隠蔽するつもりだったのではないか』と批判されたわけです。これは検察という組織にはびこる上意下達、立件のためには白も黒と言いくるめるような組織風土が根本的な問題なのです。澤田副学長も検察OBとして、そうした風土を受け継いでいると世論は見抜いた。それゆえに、これほど厳しい声がわき起こったのだと思います」
元検察官の弁護士だからこそコンプライアンス意識が高い、という認識は改めた方がいいのかもしれない。
(井荻稔)