ある法曹関係者は、ヤメ検弁護士は「検察とコネクションがある」ことをビジネスチャンスにすることが多い、と話す。企業の社員が逮捕されたりすると、検察に「私が責任を持って自白させます」と裏交渉を持ちかける。検察の起訴事実を全面的に認めて謝罪に努めることで執行猶予を勝ち取り、企業のメンツを守るという手法だ。郷原氏もこう話す。

「結局、ヤメ検弁護士は現役時代に検察上層部の意向を最優先にする体質が染みついているので、コンプライアンス意識に乏しい弁護士さえいます。代表的なのは、2019年に発覚した関西電力幹部の金品受領問題です。関電の役員が原発のある自治体の元助役から金品を受け取っていました。経済界との関係が深い『関西検察のドン』と称されたのが元検事総長の故・土肥孝治氏です。土肥氏は、長年にわたって関西電力の社外監査役を務め、その後任として社外監査役に就任したのが元大阪高検検事長の佐々木茂夫氏でした。そして、関電のコンプライアンス委員長を務めたのが、大阪地検の検事正を務め、証拠改ざん問題で懲戒処分を受けて辞任した小林敬弁護士です。同氏が委員長となって社内調査委員会を作りましたが、後にその調査の杜撰さが明らかになり、結果的には隠蔽に加担したと批判されました」

【関連記事】日大アメフト部 「悪質タックル」問題をめぐる経緯

暮らしとモノ班 for promotion
育児や家事に忙しいママ・パパの味方!自宅がオフィスになるディスプレイAmazon売れ筋ランキング
次のページ
白も黒と言いくるめるような組織風土