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 春の風物詩になりつつある「定期券販売の行列」。行列をなす人の多くは“通学定期券”“通勤定期券”を買う人なのだが、駅の改札付近に長蛇の列ができ、周辺の通行の邪魔になることさえある。

 最近は、券売機で定期を購入することも可能だが、新規に通学定期や通勤定期を作るには窓口を通さなければならないので、混雑が消えることはない。パンケーキを食べるため、あるいはApple Watchを買うための行列ならば我慢できるという人も、定期券を買う行列は我慢ならないのではないだろうか。

 インターネット、スマホの普及率が高く、テクノロジーも進んでいる現代において、この行列はどうにかならないのだろうか。調べてみると、やはり、JR東日本では、「ネット de 定期」というサービスを実施している。定期の購入がネットで手続きできるというもので、これならば、行列が消えるだろう。

 と思いきや! 「受けとりは窓口あるいは専用の券売機で」とある。書類作成などはネットでできるが、受け取りはやはり窓口なのだ。これでは、せっかくのネット受け付けの利便性が発揮されていない気がしてならない。

 書類作成の手間が省けると言っても、並ぶ手間は一緒だ。さらに、前に並んでいる人が手元で書類を書いていて、しかも誤記入があって手間取っていたりすると、イライラがよりいっそう増してしまいそうだ。

 モバイルSuicaならネット経由ですべての手続きが完了するが(学生証のコピーなどは郵送しなければならない)、なかには「無くしたときのリスクを考え、さすがにスマホにそこまでの情報を集約させたくない」「そもそも、モバイルSuicaの会員登録をするのが嫌」という人もいるだろう。せめて、できあがった定期を郵送してくれないものだろうか。

 そもそも、窓口での受け取りが必要な一番の理由は学生証などの確認なのだから、学校も学生証をアプリにして生徒全員にスマホを支給してはどうだろう。どなたか、“行列に並ばなくても、定期券を買えるアプリ”を開発してください。

(ライター・里田実彦)

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