※写真はイメージです(写真/Getty Images)

子どもの汗の悩みといえば、代表的なのがあせもです。特に乳幼児はあせもができやすく、かきむしって悪化させてしまうこともあります。一方で幼稚園、小中高と集団生活を送るなかで、汗が出過ぎることに悩む子どももいます。子どもの汗の悩みについて、専門の医師に聞きました。この記事は、週刊朝日ムック「手術数でわかるいい病院」編集チームが取材する連載企画「名医に聞く 病気の予防と治し方」からお届けします。「多汗症」全3回の3回目です。

【チェックリスト】多汗症の判断基準はこちら

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「多汗症」1回目の記事:「汗を大量にかく人とかかない人の違いは? 発汗機能は2歳までに決まる説も 多汗症チェックリスト」はこちら。

「多汗症」2回目の記事:「大量の汗が対人関係に悪影響 手のひら、足の裏、わきの下… 多汗症がうつ傾向や不安障害を引き起こすことも」はこちら。

 子どもは少し外で遊んだだけで、水遊びをしたかのように汗びっしょりになることがあります。そもそも子どもは大人よりも汗をかきやすいのでしょうか。汗の病気や小児皮膚科に詳しい池袋西口ふくろう皮膚科クリニック院長の藤本智子医師はこう話します。

「汗は皮膚にある汗腺(かんせん)から出ますが、大人と子どもの汗腺の数は変わりません。子どもは大人に比べて体表面積が小さいため、汗腺の密度が高くなり、汗をたくさんかいているようにみえる傾向があります」

 ただし、汗をかく能力は思春期ごろに成熟するので、低年齢の子どもは汗をかく能力に関しては未熟です。

「汗をかく能力には個人差があり、汗をうまくかけずに、血管を広げて血流を増やすことで体内の熱を逃がす子どももいます。暑くなると顔が真っ赤になるタイプの子です。汗をかく能力はトレーニングによって高まるので、毎日短時間でも外遊びをするなど、無理のない範囲で汗をかけるような環境をつくることが大事です」(藤本医師)

 一方、汗をかく子が悩まされるのが、あせもです。小さな赤いブツブツが、頭や首の周辺、お尻、ひじの内側、ひざの裏側などにできて、かゆみを伴うとかき壊して悪化させてしまうこともあります。あせもはなぜできるのでしょうか。

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あせもは、汗腺が詰まることで起こる