ここでは、市場内のかつお節店や昆布店、精肉店、青果店など多彩な店をまわり、良い食材の選び方からおいしい食べ方まで、各店の店主たちが事細かに教えてくれる。一般のスーパーにはなかなか出回らない「なにわの伝統野菜」や、幻のソース「ヘルメス ウスターソース」など希少な品を手頃な価格で手に入れることができるのもうれしい。

「かつお節は関東では枯節。関西では荒節を使うんです」と、福助屋のご主人
人気のヘルメスソース。市場内の「八分屋商店」で販売している

「なにわの伝統野菜に認定されるには100年以上前の文献が残っているのが重要で難しいけれど、今年新たに『馬場なす』と『貝塚澤茄子』の二つが加わったんです。うれしい反面、継承者がいないこともあって。高山牛蒡(たかやまごぼう)を作っているのはもう3人しかいないし、芽紫蘇(めじそ)は作り手がいないからいずれ無くなってしまうかもしれない」と語ってくれたのは「丹喜丹井(たんきたんい)商店」の店主。野菜を扱って50年の大ベテランだ。一般の人にも木津卸売市場を気軽に楽しんでもらえるようにと、15年程前から朝市を企画し、“じゃがいもコロコロ”などのお楽しみイベントを開催しているという。

「なにわの伝統野菜」の勝間南瓜(こつまなんきん)は小ぶりでねっとりとした食感
「OMO7大阪 by 星野リゾート」朝食ビュッフェでは、木津卸売市場から届く和総菜やお漬物などを食べることができる
涼やかな風鈴の音色や関西の線香花火“スボ手牡丹”など夏祭りのような気分が味わえる「Naniwa風鈴まつり」を8月31日まで開催中。一部は日帰り利用も可

「市場まで足を運んでお店の人と話をしながら風土や食材に興味をもってもらえれば、それが地域活性化にもつながる。使ったことがない食材も、その場の雰囲気に背中をおされながらちょっと買ってみたり。そんな新しい挑戦も楽しいですよ!」と、OMOレンジャーの八十田さん。

たくさんの学びと、思わぬ面白い出合いがぎゅっとつまっていた。

オープン1周年を迎えた「OMO7大阪 by 星野リゾート」。夜も木津卸売市場市場スタッフを招いて「『なにわ』ってなんやねん講座」などを開催

(生活・文化編集部 清永愛)