ここでは、市場内のかつお節店や昆布店、精肉店、青果店など多彩な店をまわり、良い食材の選び方からおいしい食べ方まで、各店の店主たちが事細かに教えてくれる。一般のスーパーにはなかなか出回らない「なにわの伝統野菜」や、幻のソース「ヘルメス ウスターソース」など希少な品を手頃な価格で手に入れることができるのもうれしい。


「なにわの伝統野菜に認定されるには100年以上前の文献が残っているのが重要で難しいけれど、今年新たに『馬場なす』と『貝塚澤茄子』の二つが加わったんです。うれしい反面、継承者がいないこともあって。高山牛蒡(たかやまごぼう)を作っているのはもう3人しかいないし、芽紫蘇(めじそ)は作り手がいないからいずれ無くなってしまうかもしれない」と語ってくれたのは「丹喜丹井(たんきたんい)商店」の店主。野菜を扱って50年の大ベテランだ。一般の人にも木津卸売市場を気軽に楽しんでもらえるようにと、15年程前から朝市を企画し、“じゃがいもコロコロ”などのお楽しみイベントを開催しているという。



「市場まで足を運んでお店の人と話をしながら風土や食材に興味をもってもらえれば、それが地域活性化にもつながる。使ったことがない食材も、その場の雰囲気に背中をおされながらちょっと買ってみたり。そんな新しい挑戦も楽しいですよ!」と、OMOレンジャーの八十田さん。
たくさんの学びと、思わぬ面白い出合いがぎゅっとつまっていた。

(生活・文化編集部 清永愛)