故障した自動車のイメージ(Getty Images)

「高額な費用請求を受けた」「多額のキャンセル料を請求された」――。

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 車のバッテリー上がりやタイヤのパンク、キーの閉じこみなど、突然の故障を起こしたときの強い味方であるロードサービス。しかし、いま若い世代を中心にインターネットで依頼したロードサービスで高額請求をされるなどのトラブルが増加しているという。この夏、帰省や旅行に出かける際は注意したい。 

 独立行政法人国民生活センターによると、2022年度の「インターネットで依頼したロードサービス」に関する相談件数が、過去最多の773件に上った。これは前年度の231件のおよそ3.3倍にあたる。

 被害に遭っているのは若い世代が多い。相談件数を年代別に見ると、20代が全体の約36%を占める455件で、全体の平均年齢も約36歳だった。故障などのトラブルに慣れていない人が慌ててインターネットで探したロードサービス業者に依頼しているケースが多いと考えられるという。

 記者も試しに、JAF(日本自動車連盟)の出動理由(22年度)の4割を占めるバッテリー上がりについて、ロードサービス業者をネットで検索してみた。「基本料金2980円~」「出張費無料」「お電話1本でスピード解決!」などの文言が並び、サイトを見ただけでは信頼できる業者かどうかの判断はつかなかった。

 国民生活センターは、実際に被害に遭った人の相事例を紹介している。20代女性のケースでは、車のバッテリーが上がってしまったため、「基本料金2480円」と表記していた業者に頼んだところ、やってきた業者にメニュー表を見せられたが具体的な料金の説明はなく、10分間の作業終了後に5万円を超える料金を請求されたという。そのほか、損害保険会社に請求すれば補償を受けられるという旨の説明を信じて15万円を支払ったが、その後、実際に保険会社に請求したところ、全額の補償は受けることができないと言われたケースや、なかには故障が直らず料金だけ請求されたケースもあった。

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唐澤俊介

唐澤俊介

1994年、群馬県生まれ。慶應義塾大学法学部卒。朝日新聞盛岡総局、「週刊朝日」を経て、「AERAdot.」編集部に。二児の父。仕事に育児にとせわしく過ごしています。政治、経済、IT(AIなど)、スポーツ、芸能など、雑多に取材しています。写真は妻が作ってくれたゴリラストラップ。

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「〇〇作業料」や「緊急対応費」で請求額が高額に