――初の「オフィスラブ」を経験する。お互いがお互いに片思いをしている「両片思い」の“キュンキュン”シーンはドラマの大きな見どころの一つだ。
松田:オフィスラブというのが、自分の日常とかけ離れすぎているかなぁと思ったんですけど、佳子さんの常に明るいピュアなまっすぐさとか、ちょっと慌ててあたふたしていたりする姿に普通にすごくキュンキュンしましたし、キュンを通り越して泣きそうになったこともありました。佳子さんはいい人すぎて背負ってしまうところがあるんです。だから、「佳子さん、抱えすぎないでください!」と言いたくなりました。しっかりしている年上の女性が無理して頑張っている部分を見ちゃうと、やっぱり惹かれちゃいますよね。年下だけど、何とか力になりたいと思って……。
■キュンは糧になる
僕、キュンキュンって糧になると思うんです。心の栄養というか。ドラマを見てくださった方の次の日の糧になって、ちょっとだけ背中を押せるような、そして仕事もはかどるようなドラマになったら幸せです。
――取材中、何度も「お芝居をするのが楽しくて仕方がない」と目を輝かせた。WOWOWドラマ「だから殺せなかった」では運命に翻弄(ほんろう)される青年役を、初主演映画「君が落とした青空」では明るい人気者の高校生役を、ナチュラルに表現してみせた。
松田:どんな役でもどこかしら自分との共通点が絶対にあるんです。根本の部分では同じなのに、自分はこう思ったけど、この人(演じる役)はそう考えてあっちに行くんだ、みたいな。その「じゃない方」、枝分かれしている部分を作り上げていく瞬間はすごく楽しい。物事をどう捉えるかという意味でも勉強になりますし、自分がどう生きていくかという意味で刺激にもなります。
役のためにできることは、可能な限りやりたい。「だから殺せなかった」を撮影しているときは、1カ月間ぐらい部屋の電気をつけずに過ごしました。役によっては本当にしんどくなりますけど、でも、そこにこそやりがいを感じるんです。