学校のプールで行われた「浮いて待て」教室の様子。服と靴を身につけたまま仰向けに浮いて救助を待つ(水難学会提供)
学校のプールで行われた「浮いて待て」教室の様子。服と靴を身につけたまま仰向けに浮いて救助を待つ(水難学会提供)

「この教室では着衣泳を覚えるだけでなく、服を着たままプールに入るので、水の事故を起こすって、こういうことなんだ、と実感できます」

 最近は水泳の授業が再開され、着衣泳の講習を再開する学校も増えてきた。

 21日に福岡県で亡くなった3人の児童が通っていた宮若市立宮若西小学校もその一つだった。

「昨年度、プールの授業を再開して高学年を対象に外部から講師を招いて着衣泳の講習を行いました。ですから、今の6年生に対しては昨年、あおむけになって水面に浮く方法の指導も行っています。そういう経緯があったのですが……」(同校教頭)

 溺れてパニックになれば、大人でも「背浮き」は難しいかもしれない。それでも、水面に浮いて、救助を待っていてほしかったという思いはぬぐえない。残念で仕方ない。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)