最近は感想の表し方も多様化している。40年にわたり作文指導に力を入れる鹿児島市立南方小学校では、毎月23日を「親子読書の日」として読んだ本の感想を絵と文で表す活動を続けている。もともと鹿児島県は地元紙の作文コンクールなど、児童が文を発表する場が多く設けられていた。

 南方小は地元ラジオ局のラジオ作文コンクールに創設当初から参加、40年連続で学校賞を受賞している。同校では週1回、朝15分の作文タイムを行う他、月に1度の土曜登校日には1コマ分を作文指導に充てている。

■低学年からの積み重ね

 低学年では作文用紙の使い方の指導をはじめ、語彙(ごい)の広げ方や日記から作文に広げる方法なども教える。日常的にある日記の宿題も指導の場の一つで、多い子は毎日100~200文字は書いてくるという。同校の北山みさと教諭はこう話す。

「高学年は自分でどんどん書きます。低学年からの積み重ねが高学年で力となって定着しているんだなと感じます」

 一方で、同校の場合、読書感想文は授業で取り組むため、夏休みの宿題としての提出は任意だ。生徒は作文か読書感想文のどちらかを選べるようになっている。

 こうした手厚い指導がある学校がある一方で、丸投げに困る保護者も多い。前出の中村教授はこうも話す。

「どんなに拙い文章でも、1人でやったという充足感の方が本人には尊い場合もあります」

 下手でもこれでいい、と思える親の心の強さも必要なようだ。(フリーランス記者・宮本さおり、ライター・大楽眞衣子)

■読書感想文に物申す!

※6月下旬に実施したアエラネット会員らへのウェブアンケートの回答から抜粋

「書き方を習わないまま夏休みの宿題で出され、私が書き方のテンプレートを検索して印刷し、起承転結を教えました。親が教えることで、余計に焦らせてイライラさせてしまったと思います。国語力素人の保護者が教える宿題って、果たして身になるのか疑問です」(兵庫県、43歳女性、子ども13歳・10歳)

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