約30億円をかけて増改築工事をした宮邸に移らず、「ひとり暮らし」を始めた秋篠宮家の次女・佳子さま。宮内庁は「経費節減のため」と説明するものの、その根拠は示されておらず、国民からの共感を得るのは難しそうだ。「世間」に出て活動する女性皇族もいるなか、皇室に仕えた人からは「いっそ真の『独立』をなさっては」との声も聞かれる。
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「あれでは、どうもいけませんね」
佳子さまの「ひとり暮らし」騒動に、皇室に長く仕えた人物はため息をついた。
約30億円をかけて宮邸の増改築工事をしたのならば、一緒に住むのが普通。「ひとり暮らし」の目的が経費節減ならば、根拠を示さなければ国民の納得は得られないのが当たり前だと話す。
天皇家の歴史に詳しい国士舘大の藤森馨(かおる)教授は、こう説明する。
「財政にそれなりに余裕のあった戦前の皇室とは違います。終戦の際、昭和天皇の母である貞明皇太后は『維新前に戻るだけですね』とおっしゃったといわれています。
たとえば江戸時代、禁裏御料(きんりごりょう)と呼ばれた皇室の所領はわずか3万石。小大名や余裕のない公家よりも経済的には厳しい状況でした。その3万石のなかから、人件費や日常の生活をまかなっていたのです。皇室はむしろ、そうした時代が長かった」
高齢化と少子化が顕著な皇室において、公務を支えてきた秋篠宮家。皇嗣家ともなれば、海外の王族や賓客の接遇も宮邸で行われる。宮邸の増改築に相応の費用もかかるのはやむを得ない部分もあるだろう。
「確かに佳子内親王が公務に励んでおられるのは、国民の目にも明らかです。しかし、公務の内容と住居の広さは関係ありません。広く独立した住居が必要だという理屈は、飛躍がすぎるのではないでしょうか」と、藤森教授は指摘する。
■大学近くの「自宅」から通学
学業や活動の必要から、東京・赤坂御用地とその周辺にある宮邸以外に住まいの拠点を置く皇族もいる。