「脳卒中」とも言われる、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血を起こす原因となる疾患が「脳血管疾患」です。週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は毎年、全国の病院の1年間の手術数を調査しており、創刊21年目を迎えた2023年版では、2021年1年間に実施された手術数のランキングを掲載しています。ここでは、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の手術数の全国ランキングをお届けします。

【ランキング】脳血管疾患(脳動脈瘤)治療数ランキング全国1~10位の病院はこちら

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 週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』は手術数を指標とした病院選びガイドとして2003年に創刊し、今年は21年目となります。各種のがん、心臓病、脳疾患、首・腰など、治療法別に30種類の設問が異なる調査用紙を作成し、全国4000を超える病院に対し約2万6千枚を配布。2022年9月から23年1月までの調査期間に回答のあった病院を、全国、地方別にランキング化しています。のべ4845病院を掲載しています。

 今回紹介するのは「脳血管疾患(脳動脈瘤)治療」。くも膜下出血では一刻も早い緊急手術が必要です。頭蓋骨を開けて動脈瘤を露出し、その根本をクリップ(金属の洗濯バサミのようなもの)で閉じる開頭手術と、足の付け根やひじの血管からカテーテルを動脈瘤まで誘導して、コイル(金属の細い糸のようなもの)を動脈瘤に詰める脳血管内治療があります。

 一方、脳ドックなどで未破裂脳動脈瘤が見つかる場合があります。未破裂脳動脈瘤は放置するとくも膜下出血を発症する恐れがありますが、治療するかどうかは、瘤の破裂リスクと治療のリスクを天秤にかけて判断することになります。(脳血管疾患の詳しい解説はこちら

 厚生労働省が届け出義務を課す「頭蓋内腫瘤摘出術等」が 2014年に10例以上の病院と、厚労省が22年3月にホームページに公開した20年度の「DPC導入の影響評価に係る調査『退院患者調査』の結果報告」の中から、脳腫瘍、くも膜下出血・破裂脳動脈瘤、未破裂脳動脈瘤、脳梗塞のデータを抽出し、手術ありの退院患者数が10例以上の968病院を対象に調査した。21年1年間におこなわれた脳動脈瘤開頭術、脳血管内治療を合算した治療数で並べた全国ランキングです。前年の2020年の1年間の実績も記載しています。

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