最新型のガイガーカウンターも開発中だ(※イメージ写真)
最新型のガイガーカウンターも開発中だ(※イメージ写真)
この記事の写真をすべて見る

 あの東日本大震災から丸4年が経った。大地震で引き起こされた福島第1原子力発電所の事故が震災の被害をいっそう深刻なものにし、放出された放射能に多くの人が不安を抱いた。

 事故直後は、「〇〇マイクロシーベルト」と大気中の放射線濃度も連日報道された。さらに、測定値を発表した個人のサイトもたくさん登場するなど、放射能に関するニュースや情報を耳にしない日はなかった。

 そこで大活躍したのが、放射線量計測器「ガイガーカウンター」だ。10万円以上するものまで売り切れるなど、ガイガーカウンターは一気に知名度を上げた。しかし、この機器の歴史は意外と古い。ドイツ人物理学者のH.ガイガーとW.ミュラーによって発明されたのが、約90年前の1928年だ。

 そんなガイガーカウンターだが、震災直後と比べ、今はその名を耳にする機会がめっきり減ってしまった。しかし、この機器は、ひっそりと“進化”を重ねていたのだ。

 まずは、人気を集めているお手頃な価格の機器を紹介しよう。ネット通販サイト「Amazon」で、放射能測定器のカテゴリーで「ベストセラー1位」、エステーの家庭用放射線測定器「エアカウンターS」だ。価格は5250円(3月11日現在、税・送料別)と安く、大気中の放射線量(ガンマ線)を測ることができる。これが人気を集めている理由だ。

 もうひとつが、次世代のガイガーカウンターとして、クラウド・ファンディングサイトで開発資金を募集している「ラディウム」である。簡易測定器では計測できないアルファ線やベータ線、X線放射物質といった数値を計測できるうえ、Bluetooth経由でiOSやAndroid、WindowsPhoneなどのスマートフォンと連携することができる。さらに、取得したデータをすぐにグラフにしてくれるのだ。ある意味、画期的な機器といえよう。

 ラディウムは、現在(3月11日時点)のところ、目標金額の4割ほどの資金が集まっているという。進化を続ける次世代のガイガーカウンターが発売される日がきたら、防災意識を高めるためにも、1台くらい家庭に備えておくといいだろう。

(ライター・佐野泰人)