――しわがどうなんて話は初めて聞きました。たくさん買わせたいだけのような……。

桃山 一番困るのが、「私服可」「自由服」や「オフィスカジュアル」「スマートカジュアル」だとか、あいまいな指定をされたときです。私服可の「可」の意味って何? 「自由服」って、本当に自由でいいのか、自由の意味をはき違えていないか私を試しているのか。スマートカジュアル? なにそれ、どんな服装なのって。

――スマートカジュアル……社会人の私もいまいちわかりません。私が同じ立場なら、ネットで調べてしまうでしょうね。

殿間 選択肢の幅が広すぎますよね。逆の立場だったら自分も困ってしまうなと、そういう想像ができないのかなと思ってしまいます。学生は社会人よりうんと経験が少なく、何を選択すれば良いのかわからないですから。

――西村さんはこの状況をどう感じますか。

西村 情報があふれすぎていて、学生が情報の取捨選択をしづらくなっている面はあると思います。昔はOB・OG訪問をして先輩社員の生の声を聞いて、なるほど先輩がそう言うなら、と情報を整理することができました。今はOB・OGとの対面の機会が昔より大幅に減った一方で、人材会社やメディアなどが一方的に「これがマナーだ」などと情報を発信していますからね。学生にとって良い状況とは言えません。

――マレーシアにいる山崎さんからは、日本の就活はどんな風に見えていますか。

山崎 こっちはジョブ型雇用(企業が仕事の内容や求めるスキルをあらかじめ限定し、採用する形態のこと)が主流なので、学生は就職したい企業にインターンに行って、その能力によって採用されるかが決まります。

 僕自身は毎日スーツを着るような会社ではなく、髪形や服装も自然体でいられる会社に入りたいと思っていますが、日本の就活で見た目が重視される風潮って、なぜそうしているのか理由がわかっていないんじゃないでしょうか。加えて、周りからはみ出たくないっていう学生自身の思いもある気がしますね。

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「就活前は金髪で通したいと思っていた」