髪は黒く、お化粧はナチュラルメイクで……などなど、昔から就職活動では「マナー」とされる作法がある。だが、多様性の観点からも、この時代に服装や化粧などの見た目が重視される風潮には疑問の声があり、「ルッキズム」と捉えられれば批判の対象にもなる。こうした風潮に対して、Z世代である現役の大学生たちは何を思うのか。3人の大学生に本音を聞いてみた。
【「休日はスカートはいているの?」…こんなにある職場のセクハラ発言】
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取材を受けてくれたのは、西日本の国立大学に通う桃山望さん(22)、殿間京子さん(22)の女子大学生2人と、マレーシアの大学に通う山崎蓮太郎さん(22)=いずれも仮名。女子大学生2人はすでに就活を終えており、山崎さんは数年後に日本で就活する予定だ。
また、大手人材会社勤務を経て、就活生たちの人材育成を図る「実践型就活&キャリアデザインゼミナールReaL」を主宰する西村武士さん(45)にも話を聞いた。西村さんは多くの学生や企業の人事担当とかかわる立場だ。
――就活中の服装は、やはり迷いましたか。
桃山 まずは、パンツかスカートのどちらにするか、から始まりました。普段はボーイッシュな服装なので本音はパンツが好きなんですが、事務職であればスカートで、営業職であればパンツで、と使い分けていました。お化粧も普段は濃い方ですが、ナチュラルメイクにして。でも、なんでそこまで考えなきゃいけないのとも思いましたね。
殿間 私も最初はパンツが良いなと思っていたのですが、ネットで調べると「スカートが間違いない」という意見が多くて、スカートにしました。
――ネットで服装やお化粧などの情報を得ていたのですね。
殿間 「就活、スーツ、髪形」などと検索すると情報がいろいろ出てくるんですよ
桃山 私は〇〇(大手人材会社)のHPとか、元人事が教えます、みたいなYouTubeの動画を参考にしました。で、実際にスーツを買いに行ったら、スカートで行くとしわがよるから、パンツで面接会場に行って現地でスカートに履き替えるようにとお店の人に勧められて、こんなに気を使わないといけないほど大変なんだなって。しわなんてよらないと思うんですけどね。