Q 法科大学院の設置で弁護士が増え、就職難だといわれることがありますが、実際はどうなのでしょうか。
A 「弁護士が就職難」ということはありません。実は今、弁護士不足といわれており、「弁護士の採用難」なのです。法律事務所で新人弁護士をなかなか採用できずに本当に困っているという話を聞きますし、さらに企業の採用難はもっと深刻で、コンプライアンス意識の高まりからインハウスロイヤー=組織内弁護士を採用したいと思っていても、希望の条件でなかなか採用できないそうです。
また、もし弁護士資格がとれなくても、専門職大学院である法科大学院で学んだ「リーガルマインドを持った人材」は、企業はもちろん、国会議員の政策秘書、公務員、裁判所の書記官など、さまざまな分野で活躍し重宝がられています。
弁護士は「売り手市場」なのです。弁護士になりたいと思っている人は、まさに今がチャンスだと思います。
Q これから弁護士を目指す人へ、応援メッセージをお願いします。
A 何かしら人のため、世の中のためにやりたいという人に向いています。困っている人を助けたい、イノベーションを起こしたい、社会問題のためにチーム(弁護団)を組んで闘っていきたい、草の根の人権救済活動をしたいなど、何をするにしても弁護士は有利な資格。法律という武器を使って戦えるのですから。みなさんのチャレンジを待っています。
(文・柿崎明子)