今回のインドネシアご訪問で天皇、皇后両陛下が力を入れていたように感じるのは若者との交流。そんな若者との交流でも、バティックのときとは違った雅子さまの輝く笑顔があった。
「当初、現地の職業専門高校とダルマ・プルサダ大学での若者との交流は天皇陛下お一人でご訪問の予定でしたが、雅子さまご自身の判断で同行されました。訪問先で交流するのは高校生と大学生の皆さんで、中には愛子さまと同世代の方もいて、そこでの雅子さまの表情は母親目線でした。どんな夢を持っていて、どのように社会に羽ばたいていくのだろうかととても興味があったと思うんです。インドネシアの大学生たちは流ちょうな日本語を話し、その中のひとりの女子学生が太宰治の『人間失格』を読んだと話したんです」
雅子さまがしっかり目を見つめながら聞いていらしたのが印象的だったという。
「それはまるで愛子さまを見つめる温かな眼差しのようでした。その女子学生は年齢的にも愛子さまと近かったのもあると思うのですが、母のような心境で興味を持ってお話を聞かれているようでしたね。国は違っても若い世代が希望にあふれている姿というのは頼もしいし、すごく清々しく感じられますよね。雅子さまも若者たちとの交流が胸にしみたのではないでしょうか」
交流の中で雅子さまは、学業に励む現地の大学生に「大変でしょう。うちの娘も今は卒論で忙しいみたいですよ」と、まさに母親の目線で話しかけられていた。
最後に印象的だったのは、インドネシアの空港での充実感にあふれた雅子さまの笑顔だという。
「インドネシア郊外のスカルノ・ハッタ国際空港から政府専用機に乗り込むときに、雅子さまはとても充実した笑顔をなさっていました。雅子さまは21年ぶりで、体調を整えられてのぞまれたはずですし、予定された日程を終えられて自信につながったのではないでしょうか。雅子さまの笑顔を見ていると、国際親善というのはうわべだけでなくて心を開いて触れ合い、真心を込めて接すれば、国と国との友好というのは大いに進展するということを示してくださった感じがします」