酔った勢いで…春風亭一之輔が語る「落語家を辞めなければならなくなる最悪の事態」

　落語家・春風亭一之輔さんが連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今週のお題は「再出発」。

【写真】ポーズを取る春風亭一之輔さんはこちら

　さっそくですが週刊朝日が休刊となったため、「ああ、それ私よく知ってます。」という私の連載がAERA.dotで『再出発』することになりました。このエッセー？　コラム？　まぁ雑文は編集担当者からお題を与えられ、それについてツラツラと綴るということになっています。今回は『再出発』。よかったらお付き合いください。

　週刊朝日の連載が全てネットに移行するわけではないようで、お声がけ頂いたのはありがたいのですが「ネットはNG」という方もいらっしゃるようです。たしかにネットだと無料で読めてしまうというモヤモヤがありますね。で、それがいつのまにかヤフーに飛んでって、よくわかんない人が書いたコメントを読んでしまって「金も出してねえくせに勝手なこと書き散らかしやがって、ふざけんなよ、オイ」みたいな気持ちになる……誰も幸せじゃないかんじ。いろんな人に読んでもらえるのはありがたいですが、たいそうなことを書けない私はヤフコメを読むことがないので、何でもご自由にお書きくださいませな。

　落語家は「我々は引退がないからいい商売ですよ」なんてことをマクラでヘラヘラと能天気にのたまいます。引退はないけど、「落ち目の引退同様」なんてことはザラにあるんですね。自ら辞めなければ肩書きとしては落語家でいられますが、何十年も開店休業なんてままあることです。私も今のところは生涯落語家でいられるかなぁ、なんて安穏としてますが、何かの拍子で落語家を辞めなければならなくなることも可能性としてはあるかもしれません。いや、大いにあり得るでしょう。そんな最悪な事態も考えておかねばなりません。