
放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、Netflixドラマ「サンクチュアリ-聖域-」について。
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今、かなり話題になっているNetflixドラマ「サンクチュアリ-聖域-」、全8話見ました。簡単に言うと、ド不良の青年が相撲界に入り奮闘していく、相撲界を舞台にしたドラマです。僕はお相撲界も知り合いが多いので、このドラマには知人も多く出演しています。
この10年、相撲界の方々と沢山の経験をさせていただきました。だからこそ、ちょっと見るのが怖かったんです。Netflixでやるからには・・そして「聖域」とサブタイトルがついているからには、もしかしたらなかなかの踏み込みを見せるのかなと。
そして見てみると。通常のドラマではありえない規模と期間で撮影。めちゃくちゃ面白いドラマとなっていた。
僕の個人的感想では、「全裸監督」以来の衝撃とワクワク。そしてそれを超えている。おそらく生まれて一番最初に認識したスポーツって相撲なんじゃないかと思うんですが、その「相撲」の激しくも悲しく、そして熱い物語が描き切られている。何がすごいって、出演者の肉体がドラマの物語とともに変化していくんです。これは長期撮影でしか出来ないことですよね。
そして、主演の一ノ瀬ワタルさん。この映画、撮影開始からきっと2年以上向き合っていると思うんですけど、多分、撮影中、とんでもなく辛かったはずです。それが何年も続く。そのくらい命を削っているんです。
最近、よく思うことがあって、この業界で働いてる人で何人が自分の命を削って挑んでいるのか?ということ。とあるグループのライブを見に行った時に、その一人のパフォーマーのダンスを見て「これは命削ってやってるなー」と感じて。自分も含めて命を削って何かを作り出している人。
この「サンクチュアリ」には一ノ瀬さんを筆頭に、沢山の削った命が詰まっている。