コンパクトなキャンプ道具をバックパックに詰め込み、電車やバスに乗ってキャンプ場に行く──。そんな「UL(ウルトラライト)キャンプ」を実践するCAMPたかにぃさんに、その魅力を聞いた。AERA 2023年7月3日号より紹介する。
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装備を極限まで軽くした「UL(ウルトラライト)キャンプ」。『ミニマライズキャンプ入門』(朝日新聞出版)を監修したCAMPたかにぃさんは、週に一度程度キャンプをする傍ら、キャンプの軽量化がコンセプトのウェブメディア、ユーチューブでULキャンプについて発信している。
子どもの頃からアウトドア好きだったわけではなかった。釣り好きの父がキャンプブームに乗って、キャンプに連れていってくれたことがあったくらい。それがダンサーとして活動していた2015年、面白いことはないか、誰かを誘える趣味があるといいなと漠然と思っていたところインスタグラムでキャンプの投稿を目にし、これは面白そうだと直感が働いた。
「一度、友達とキャンプをしてみたら、爆発的に面白かったんです」
ULキャンプを始めたのは17年。車もないし、お金もなかったから、持っていたロードバイクで行くことに。ならば、荷物を減らさなければならない。軽量なテントだけ買い、チェアもテーブルも省いて、最低限のものだけをバッグに詰めた。自分でまとめたキャンプ道具は、宝石のようにキラキラして見えた。早朝にバッグを背負ってロードバイクにまたがったとき、朝日を浴びて解放感を味わったのが始まりだ。
荷物が軽いと、他のアクティビティーとの組み合わせを楽しめる。登山やハイキング、自転車、釣りにチャレンジできる。
「アウトドアの幅が広がって、海や山もすべてがフィールドになり、自分の興味の幅が広がりました」
軽量化すると、フットワークが軽くなる。飛行機にも乗れるから遠征がしやすい。どこに寄り道するかプランを練るのが楽しい。グーグルアースで道を確認し、「この土手を走ってみたい」と実践することもある。そして、キャンプ場の最寄り駅まで乗ってみたい電車に乗る。電車を降りて、ハイキングをしたり自転車に乗ったりして、きれいな景色と出合うのも冒険だ。
「旅が面白いほどキャンプも楽しくなります」