夏木マリ(なつき・まり、右):1980年代から演劇に活動の場を広げる。93年から「印象派」を制作。印象派をコンセプチュアルアートシアターと銘打ち、身体能力を極めた独自の舞台表現を確立/土屋太鳳(つちや・たお):1995年2月生まれ。東京都出身。2008年「トウキョウソナタ」で俳優デビュー。連続テレビ小説「まれ」(15年)でヒロインに。ドラマ、映画、ダンスなど幅広く活躍(撮影/門間新弥)
夏木マリ(なつき・まり、右):1980年代から演劇に活動の場を広げる。93年から「印象派」を制作。印象派をコンセプチュアルアートシアターと銘打ち、身体能力を極めた独自の舞台表現を確立/土屋太鳳(つちや・たお):1995年2月生まれ。東京都出身。2008年「トウキョウソナタ」で俳優デビュー。連続テレビ小説「まれ」(15年)でヒロインに。ドラマ、映画、ダンスなど幅広く活躍(撮影/門間新弥)
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 夏木マリが心血を注いで創り上げてきた舞台「印象派」が、今年の「The Miracle of Pinocchio ピノキオの偉烈」で30周年を迎える。ピノキオ役を務める俳優・土屋太鳳と語り合った。AERA 2023年6月19日号の記事を紹介する。

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――夏木が演出を手がけるコンセプチュアルアートシアター「印象派NEO」の童話シリーズ第4弾「ピノキオの偉烈」。2020年の新型コロナウイルス感染拡大で上演延期になっていた作品が、今年、タイトル・内容を一新して6月から東京・新国立劇場ほかで上演される。ピノキオを演じるのは、ダンサーとしての実力も評価されている俳優・土屋太鳳。妊娠中の体で新たな境地を拓く。

夏木:太鳳さんに「この舞台をやります」と伝えたのは昨年9月くらいだったかしら。

土屋:はい。それで、今年の春から8月くらいのスケジュールを空けておいたんです。ただ、冬ごろおなかに赤ちゃんがいることがわかったので、ご迷惑をおかけしてしまうかもしれないし、無理だと思うとお伝えしようと思ったら、マリさんが、「おなかに赤ちゃんのいる太鳳さんをどう表現できるか、演出家としての課題を神様からいただいた気がします」と言ってくださったんです。すごく感動しました。

■全員で赤ちゃんを産む

夏木:印象派は常に困難があるんです(笑)。今回はちょっと大きな崖だなとは思いますけど、いつも崖から飛び降りる感じでやっているんですよ。それに課題があった方が面白いじゃないですか。

土屋:印象派は今年で30周年なんですね。

夏木:そうなの。2008年の公演からチームを作り、今はパフォーマー集団を作って「印象派NEO」となりましたが、そもそも私の絶望から出発した一人舞台。毎回困難はつきものです(笑)。でも、今回はカンパニー全員で太鳳さんの赤ちゃんを産むという気持ちで臨みますので、健康だけに注意していただけたら。こんな奇跡はありませんから。だって「太鳳ちゃん、妊娠して臨んでください」と言っても、そうもいかないし(笑)。逆に、そんなお体を提供してくれる太鳳さんはすごいと思いますよ。

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