5月21日、広島の平和記念公園を訪れ、岸田首相とともに慰霊碑に献花するゼレンスキー大統領。花束にはウクライナ国旗と同じ青と黄色のリボンが結ばれていた(外務省/ロイター/アフロ)
5月21日、広島の平和記念公園を訪れ、岸田首相とともに慰霊碑に献花するゼレンスキー大統領。花束にはウクライナ国旗と同じ青と黄色のリボンが結ばれていた(外務省/ロイター/アフロ)

 これからもしばらくは「文明の衝突」は終わらないと思います。というより、永久になくならないと思います。文明の衝突があるからこそ歴史は進歩するのです。

 沖縄で起きているのは日本が民主主義国家として解決すべき問題です。NIMBY(not in my backyard=わが家の裏庭には置かないで:社会的事業であっても自らの居住地域で行うのは反対)という発想はすべての民主主義国が直面している問題ですが、まさにそれが日本における米軍基地問題です。

 日本政府が辺野古への基地移設を進めるかどうかを決めなければなりません。長期的に言えば、日本自身がコントロールして本州や北海道などに基地が分散されるのを私は見たいと思っています。

 誤解してほしくないのですが、全国に基地を造れと言っているのではなく、沖縄の人に対する負担を減らすべきだということです。私の基本的な考えは「アーミテージ・ナイ報告」として複数回にわたって伝えてきましたが、詳細を決めることはできません。私が提案しているのはアメリカの部隊を注意深く日本政府の管理下に移していき、米軍はこれらの施設をローテーション(巡回配備)していくというものです。ただ、辺野古を含め沖縄問題を解決するのは、あくまでも日本なのです。

(構成/国際ジャーナリスト・大野和基)

AERA 2023年6月5日号より抜粋