料理研究家の黒田民子さんが教える「家つまみでひとやすみ」。今回は「牛タンの味噌焼き」。
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こちらの料理はわが家の大好物。その昔、牛タンは手頃な値段だったので、1本買ってきて、ゆでて皮をむき、下ごしらえが大変でした。いまはスライスしたものが出回っているので調理が簡単。シンプルに塩、胡椒だけでもおいしいのですが、ひと手間かけた味噌焼きもなかなかおつですよ。
まずは牛タンの薄切りに赤味噌、酒、みりんを合わせたものを塗って、一晩漬け込みます。味噌はコクのある赤味噌がおすすめですが、なければお手持ちの味噌をご利用ください。
翌日、表面の味噌を軽く拭き取り、一枚ずつ魚焼きグリルに並べて焼いていきます。オーブントースターを使ってもいいですよ。
ただし味噌は焦げやすいので、火加減には注意。タンの厚みにもよりますが、時々焼き具合を見ながら6~8分焼きます。
こんがりと焼けたら、色鮮やかなししとうを添え、七味唐辛子を振ってどうぞ。まだ日が暮れぬうちから、牛タンをつまんで気長に晩酌を楽しむのもいいですね。
(構成/沖村かなみ)
■牛タンの味噌焼き
【材料】(2人分) 牛タン(薄切り)200g、ししとう6本、赤味噌大さじ2、酒大さじ1、みりん大さじ1、七味唐辛子適量
【作り方】(1)赤味噌、酒、みりんを混ぜ合わせ、牛タンの両面に塗り、一晩漬け込む。(2)(1)の味噌を軽く拭き取り、魚焼きグリルに並べて焼き色が付くまで6~8分、弱火~中火で焼く。ししとうは5分ほど焼く。(3)(2)の牛タンを食べやすい大きさに切り、ししとうを添えて盛り付け、七味唐辛子を振る。
【ワンポイントアドバイス】牛タンの薄切りの両面に合わせ調味料を塗って、一晩漬け込み味をなじませる。
片面焼きグリルの場合は途中で裏返し、焦げないように火加減に注意して焼く。
※週刊朝日 2023年6月2日号