就職活動や転職活動、その他、各種面接等、自己PR力が試されるシーンは結構あります。そういった場合、あなたはついつい「過去の実績」に焦点を当ててしまってはいませんか。もちろん、何も実績がない人よりも、何か語れるものがある人の方が評価されます。
ただ、「◯◯の賞をとったことがある」「◯◯での企画を成功に導きました」、こんな話のオンパレードでは聞いている方もウンザリ。実績アピールも度が過ぎてしまうと、鼻につく行為となってしまいます。
心理学者・内藤宣人さんの著書『「人たらし」のブラック交際術』では、スタンフォード大学のザッカリー・トーラマさんのある実験結果が紹介。この実験には、自己PRの場で自身の魅力を効果的に伝えるヒントがあります。
実験内容はいたってシンプル。アメリカのプロバスケットボールリーグNBAのマネージャーになったつもりで、ある選手を評価させるといったものです。まず、被験者に2種類の履歴書を見せます。一方は、「私は、ここ5年で毎試合平均◯得点を出しました」という内容の履歴書、もう一方は「私は、これから5年で、毎試合平均◯得点を出そうと思います」という、潜在能力をアピールする内容の履歴書です。
この履歴書を読んだ被験者たちは、当該選手を年収いくらで契約したいかと問われると、実績をアピールした選手には426万ドルを払いたいと答えたのに対し、潜在能力をアピールした選手には525万ドルを支払いたいと答えたのです。
内藤さんは同書でこう指摘します。
「業績をアピールするのは、"自慢屋"と思われてしまう。『あいつって、優秀は優秀なんだけど、鼻につくよな』『あいつは、業績はすごいけど、それを自分で言うからイヤなんだ』と思われたのでは、周囲に敵を作るばかり。過去に立派な業績があるのだとしても、それはあまりアピールしないほうがよさそうだ」
確かに過去の業績、実績はいずれ周囲に漏れ伝わるもの。自己PRの場では、潜在能力含めて「未来の自分」をテーマに語ると良いのかもしれません。