「Scratch2Romo」搭載の「Romo」
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「Scratch2Romo」搭載の「Romo」
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「Scratch」のプログラム画面
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「Scratch」のプログラム画面
合同会社つくる社 代表社員 石原淳也氏によるデモンストレーション
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合同会社つくる社 代表社員 石原淳也氏によるデモンストレーション

 ITの重要度が増しているにもかかわらず、それを担う人材は不足している。そのためには、将来、IT業界を担ってくれる世代に、早い段階から興味を持ってもらうことが大切になってくる。国も人材不足を解消すべく動きだした。文部科学省は、新学習指導要領でコンピュータープログラムを学ぶ科目を義務教育段階から必修化したのだ。

 そんななか、子どもでも簡単にプログラミングができて、ロボットを操作できるアプリが注目を集めている。合同会社「つくる社」の新作アプリ「Scratch2Romo(スクラッチトウロモ)」だ。このアプリは、子どもでも簡単につくれるプログラムで小型ロボットを動かせるというものだ。

 小型ロボットは、教育用ツールとして注目されていた「Romo(ロモ)」で、セールス・オンデマンド株式会社が2014年7月から日本国内で販売している。キャタピラのついた胴体に、頭脳にあたるスマートフォン(現在はiPod touch第4世代/第5世代、iPhone4/4S/5/5SのiOS7.1以上のみ対応)を接続すると動くのだ。今回のアプリを使うことで、さらに複雑な動きができるようになったのだ。たとえば、近くで手をたたくと音に反応して動き、さらにお辞儀や会話もできるという。

 プログラミングも簡単だ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボが開発したプログラミングソフト「Scratch(スクラッチ)」は、色や形が異なるブロックで実際に動きを確認しながらプログラムが作れるため、シンプルでありながらプログラミングの本質を体得できるのが特徴だ。

「Scratch」の日本語化に携わった青山学院大学・津田塾大学非常勤講師の阿部和広氏はこう話す。

「子どもたちは親しみやすいネコのキャラクターにコマンドを送り、動かしてみるというゲーム感覚の『Scratch』を非常に楽しんでいます。これまでは、受け身の学習でしたが、子どもたちが自発的に学べるように工夫しています。自分で考え、工夫や修正を加えてオリジナルゲームを作るなどの体験ができるので、身に付きやすいのです」

 15年2月7日(土)に日本科学未来館で、小学生から高校生を対象に、この新作アプリを体験できるワークショップが行われる予定だ。こういった体験を通して、プログラミングの楽しさに触れる子どもが増えれば、ITの人材不足も解消するかもしれない。