お互いに落語の演題にすべくワードを三つ出し合って、その中から一つ選び、それをタイトルにして新作落語を作り発表するという……勉強にはなるけど、クソ面倒な会。今月頭にタイトルが決まり20日間の時間が与えられ、昨日20日が締め切りでした。「締め切り」というか、まぁ会当日ですね。

 しかし、やらない。ほんと重い腰が上がらない。やりたくてやってるはずなのに、日々のアレコレを言い訳にいっこうに手つかずのまま、当日までとうとう1週間を切ってしまいました。私に与えられたお題の3候補は「私がやりました」「懐かしいの」「あとの祭り」。それぞれにブレインストーミングみたいなことをして、ごちゃごちゃとストーリーらしきものを作るのですが、こしらえてはボツにしを繰り返していたら、あら驚いた。もう前日じゃないですか!?

 明日(6月20日)の19時には新作落語を250名の前で披露しなければならない。しかも内容はほとんど白紙。なんなんですかね。私はこの会のたびにこんなことを繰り返しています。とりあえず晩飯を食べた後、飲酒をやめ、ノートに向かい、適当に喋っていき、それを書きとめます。23時30分。かなり楽しくなってきたのですが、夜中に楽しい場合、たいてい朝になって見返すとつまらないことがほとんど。「……もう寝よう」

 当日朝6時に散歩がてら外へ飛び出し、スマホの録音機能を使いながら、ひたすら喋りながら歩き続けます。どうみても怪しい。喋って録って、それを聴き直して、また喋って録って、また聴いて……。あいだに寄席二軒をやっつけて、ひたすら自分の録音を聴きながら歩いて会場に着くと、あっという間に客入れの時間……。

「出来たのかよ?」と天どん兄さんに聞かれ「まぁどうなんでしょう……出来たような、まだまだなような……」「ま、そんなもんだな。新作のネタおろしなんて、高座の上で出来上がるみたいなもんだからな」。みんなそんなもんなんでしょうか。あなたと私だけじゃないのか。

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喋りながら「もうこれでいくか」と