訓練の姿勢は二つある。腹ばいになって両ひじを地面につける「伏せ撃ち」と、片ひざを立ててそこにひじを置く「ひざ撃ち」だ。
「撃てる状況が整うとしたら、コーチから弾を渡された撃つ直前のときでしょう。訓練では『伏せ撃ち』をすること多いですが、ここからすばやく他の人に銃口を向けるのは困難です。『ひざ撃ち』の訓練で今回の凶行に及んだ可能性のほうがある。しかし、ここでおかしな挙動があるものなら、コーチが即座に対応します」
コーチも厳しい訓練を経験してきた現役の自衛官だ。こうした管理された状況の中で、通常の訓練と異なる行動をとるのは極めて難しいというが……。
「三人も撃つとなれば、何らかの形でこのコーチをまず制圧する必要が出てきます。力で制圧したかもしれないし、コーチを銃撃している可能性もある。その後、他の二人ないし三人を撃つような流れになるのではないでしょうか。
ただ、弾は渡されても3~5発程度と少ない。厳格な安全管理がなされている状況で、3人も銃撃するというのは私には信じられません。こうした状況を理解したうえで、一瞬の隙をついて実行したのかもしれない」(元自衛官)
いったい何があったのか。続報が待たれる。
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)