占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:引っ越し前の片付けに精を出しています。古くてなかなか着ないけれど気に入っている服や、購入後ほぼ再生はしないけれど大切なCD、DVDがそこそこあります。明らかにゴミなものもありますが、処分しても気分が晴れやかになるわけではない人間です。しかし収納は有限。しいたけ.さんの、大事なものを手放す選別基準は何ですか?(女性/製造業/39歳/かに座)

A:僕の場合からまずお答えさせていただくと、僕は結構マイブームの波がある人間なんです。

 例えば少し前まではパーカーがマイブームだったんです。首を包まれている安心感があって。それが一時期から首の周りに何かあるのがなんだか邪魔になって、スウェット派になっちゃった(笑)。注意しないと昔ブームだったものをすべて捨て去らないといけなくなって、どうしようもない人間だな、と自分で思ってしまうことがあります。

 自分の性質を理解しつつも、僕は断捨離をしすぎないことも大事だなと思っています。

 断捨離って、いつからか絶対的正義になりすぎてしまった気がします。確かに、人生を前に進ませようとする時に、昔の思い出や荷物であふれかえっていたら、次の一歩が踏み出せないというのは理解できます。何らかのタイミングで断捨離をしてスッキリしたほうが、前に進みやすい。そういう断捨離のメリットも数限りなくあると思います。

 ところが、自分がある程度年を取ってみたら、20代の頃に着ていた服とか捨てずに取っておけばよかったなぁと思うことがあるんです。体形も趣味も違ってもう着られないんだけど、その洋服1枚見るだけで、あの頃の情景がパッと思い浮かんでくる。「あー、これ着て原宿に行ったなぁ」とか。それはすごく大事なものだし、自分の中で関心がなくなったから、という理由で根こそぎ全部捨ててしまうと、物に付随する思い出までも焼却しているように僕は感じてしまうんです。

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