1月17日は、阪神・淡路大震災が起こった日。
あの驚愕の日から、早いもので20年の月日が経過しました。
過ぎた歳月は忌わしい記憶を癒すとともに、震災などの備えに対する意識をも風化させがちです。
漠然と「自分は大丈夫」と思っていませんか?
自分や家族のための防災グッズをしっかり用意しておけば、いざというときに慌てずにすむので安心です。
阪神・淡路大震災から学んだ経験や知恵を無駄にしないよう、実際に役立ったと言われる防災グッズをご紹介します!
まずは安全確保! 必要なものは一人ひとり違うことを理解しよう
地震が起きた時の最優先事項は、安全な場所に避難すること!
夜間はもちろん、日中でも停電することがあるので、まずライトが必要です。
懐中電灯なら乾電池が不要な手回し式があると便利ですが、片手がふさがってしまうのが難点。そこで震災時に役立ったのが「ヘッドライト」でした。救助活動や救援物資などを運ぶ際に大助かりだったそうですから、一家に一台あると助かりますね。
持ち出し用の袋としては「ポケットの多い釣り用のベスト」が“着るだけで荷物が運べる”と人気です。手には、「防刃タイプの軍手」や「革の手袋」の用意を。
では、非常用袋に入れるものは何かというと、最近は新聞やネットなどにもリストアップされていますから、それを参考に準備してみてください。とはいえ、本当に必要なものは年齢や性別、家族構成など個人ごとに違うのが事実。自分たちにとって必要な“オリジナル持ち出しグッズ”をそろえることが大切です。
幼児や妊婦、高齢者や要介護者がいる場合は、特に注意してください。震災時に一番役立ったと言われているのが「ウェットティッシュ」でした。女性マストアイテムは「生理用品」。ペットがいる場合は、その子たちの分も忘れずに。
● 準備できているかチェック!●
ヘッドライト、防刃タイプの軍手または革の手袋。
幼児や妊婦、高齢者や要介護者をはじめ、家族やペットに必要なものは、オリジナル持ち出しグッズに最小限用意しておこう。
増える荷物をコンパクトにする多機能グッズ
増える荷物をコンパクトにするために取り入れたいのは、一つで何通りにも使えるグッズ。
45ℓサイズの「ゴミ袋」なら体を包んだり、バケツ代わりに水を入れたり、シート代わりに敷いたり……とさまざまな使い道があります。「密封式ストックバッグ」も何種類かあると便利です。
「新聞紙」なら服の間に入れて防寒に、折り畳んでビニール袋や「食品用ラップ」などと組み合わせれば食器やトイレに早変わり。「大きめのハンカチ」も、マスクの代用やケガの手当て、マフラー代わりと活用度の高いアイテムです。
意外と役立つのが100円ショップの「携帯型レインコート」。雨風や冷気をしのぎ、砂埃なども防げるので、フードつきのものがオススメです。
● 準備できているかチェック!●
大判のゴミ袋、新聞紙、食品用ラップ、大きめのハンカチ、携帯型レインコート
命をつなぐ「非常食」は、日常の延長
さて、食べるものはというと、備蓄用には、そのまま食べられる缶詰や缶入りのパン、水を注いだり、加熱するだけのフリーズドライ製品やレトルト食品など、「食べ慣れているもの」の中から用意します。数カ月に一度、消費期限の近いものから日常生活の中で消費し、減ったものをストックしていく「ローリングストック」を実現していけば、うっかり消費期限切れ……という事態も防げますよ。
阪神・淡路大震災は1月の寒い時季に発生したこともあり、被災者の要望で最も多かったのは“温かい物を食べたい”ということでした。ライフラインが断たれた場合、この願いを叶えるのが「カセット式コンロ」と「カセットボンベ」。カセットボンベは多めに買い置きして備えておくと、停電時にも対応できて便利です。
● 準備できているかチェック!●
缶詰や缶入りパン、フリーズドライ製品やレトルト食品、カセット式コンロ&ボンベ
火急の事態に備える「保存」のアイディア
ところで、預貯金通帳や保険証など、日常的に使うものは非常用袋に入れられませんが、それらのコピーを、濡れない「密封可能なストックバッグ」に入れておくのもひとつの方法です。さらに、持病のクスリは災害直後には手に入りづらくなるため、お薬手帳のコピーも同封しておくと安心ですね。
また、携帯電話が通じない場合や、停電でバッテリーがなくなったことを想定して、家族の携帯番号をメモっておいたり、固定電話は比較的遠方地につながりやすいので、遠い地域に住む親戚や友人の電話番号リストをその中に忍ばせておくのも手です。
最後に、忘れてはならないのが「トイレットペーパー」。震災時には品薄になる可能性が高いので、日頃からある程度の量をストックしておきましょう。
● 準備できているかチェック!●
預貯金通帳、保険証、お薬手帳のコピーと電話番号のメモ。あわせてトイレットペーパーは少し多めに自宅にストックを。
ついつい、後回しにしがちな非常用持ち出しグッズの用意ですが、災害は他人事ではありません。
誰もが自分の身に起こる出来事としてとらえなければ、自分の身を守ることができないのです。
被災経験から学んだことをみんなで共有して、いざというときのためにしっかり備えたいですね。