1971年に発表されたレッド・ツェッペリンの「天国への階段 / Stairway to Heaven」が、1968年にリリースされたスピリット(Spirit)の「Taurus」を盗用したとして提訴されていたが、2016年の評決に続き、控訴裁判所でも著作権侵害は認められなかった。
2020年3月9日、第9巡回区控訴裁判所は、レッド・ツェッペリンがスピリットの著作権を侵害していないとする2016年の地裁陪審による評決を支持した。控訴裁判所では、一審で審理された主な問題点を、“en banc”つまり裁判官全員出席の上で再審理を行うことを提案していた。
公開されている全54ページにも及ぶ判決文は、今後の著作権侵害裁判の新たな基準になるものとみられ、最高裁判所で争われる可能性がある。判決の一部には、控訴審で「Taurus」の音源を陪審団が聴く時間が設けられなかったことは間違っていなかったとする点や、第9巡回区控訴裁判所が今後は“inverse ratio rule”に従わないとする点も記載されている。
“inverse ratio rule”とは、盗作したとされる原告の作品に被告がアクセスできた度合いが大きいほど、高度な“実質的な類似性”(substantial similarity)の立証が必要でなくなり、逆に明らかに類似性が認められる場合は、被告が作品にアクセスしたことについての高度な立証が必要でなくなるというものだ。