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 わが家にはちび(雌、17歳、写真右)とプー(雄、13歳、同左)という2匹のと、7匹の兄妹猫(リキ、ミーミー、リス、シロ=以上雄、チューチュー、トラ、カル=以上雌)がいる。
 11年前、私と夫は夜の大阪の公園で、生まれたばかりの猫8匹を保護した。その中で1週間しか生きられなかったのが蛍だ。
 そのころ私たちはまだ結婚していなかった。私が、一人で8匹は無理だと言っても、公園を巡回するお巡りさん始め、捨て猫に対する世間の無関心に腹を立てていた彼は、8匹全部を自分のマンションに連れ帰った。
 里親を探そうという私の言葉には耳も貸さない。それでも彼は迷っていて、「大きくなったら外に放そう」などと言う。しかし蛍の死で彼の気持ちは固まる。自分が7匹を守るのだと。
 7匹が3歳になった夏、私はちびとプー、2匹の猫を連れ輿入れしたのである。
 成猫同士の同居は、特に雄だと難しいという。7匹にとって、ちびとプーはテリトリーへの侵入者。私は、一番長く一緒にいるちびが7匹とうまくいくよう、名前を呼ぶのもご飯をあげるのもいつも最初にした。その甲斐あってか、ちびはすんなり受け入れられた。
 問題は雄のプーだ。プーにも同じようにしたが駄目だった。甘やかされて暮らしてきたプーが7匹すべての敵になり、追われる。2年ほど前、プーがストレスからか尻尾をなめすぎ、毛が抜けてしまった時には、連れて来たことを後悔した。
 しかし最近プーは、私がかけている椅子の横に座り、下を通る猫にちょっかいを出す。やられっぱなしだったプーが、である。
 プーと7匹が仲良くなるのは難しいだろう。でも、一日の大半を猫だけで留守番して過ごせているのだから、それで十分だと思う。

(奈古英子さん 奈良県/55歳/会社員)

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