Googleは11月11日、同社が開発したパソコン向けプラットホーム「Chrome OS」を搭載したノートパソコン「Chromebook」を、個人向けに販売を開始したと発表した。
このパソコンは、海外ではすでに販売されているが、国内では未発売だった。「Chrome OS」は値段が無料で、スペックが高くない機種でも軽快に動くため、海外では100~200ドルで売られている。他のOSを搭載したパソコンに比べても格安で、海外では東南アジアなど新興国で普及が進んでいる。
一方、国内では2014年7月、法人と教育機関向けに販売が開始された。価格の安さを武器に、一度に多くのパソコンを必要とする企業や学校を中心に流通していた。
そんなパソコンが一般の消費者にも手に入るようになった。今回発売された機種は、DELLの「Chromebook 11」(11.6型)とAcerの「Chromebook C720」(11.6型)だ。さらに、ASUSは12月中旬、「Chromebook C300MA」(13.3型)とデスクトップの「Chromebox」を発売する予定だ。
では、それぞれの機種の性能を説明しよう。「Chromebook 11」は、メモリが2GBと4GBのモデルがある。「Chromebook C720」はメモリが4GBの1種類のみ。バッテリー駆動時間は、「Chromebook 11」が10時間に対して、「Chromebook C720」が7.5時間。この違いを除けば、CPUやディスプレー解像度、本体容量も変わらない。本体容量はどちらも16GBのSSDを搭載している。
パソコンなのに、本体容量が16GBしかないのか、と思われる方もいるだろう。確かに、動画や写真を保存するのには、この容量では心もとない。しかし、心配はご無用。「Chrome OS」は、基本的にパソコン本体へのデータの保存を前提とした作りになっていない。Googleは、「Chromebook」を購入した全てのユーザーに対し、クラウド上に「Googleドライブ」の容量(100GB)を無料で提供する。つまり、インターネットに接続すれば、パソコン本体に保存したデータが自動的に全てバックアップされるのだ。このため、万が一パソコンを紛失しても、データは保護される。もちろん、ネットに接続できない環境でも本体に保存したデータを編集することは可能だ。
「Chrome OS」製品の魅力は低価格だ。4万円前後で手が届く。「Chromebook 11」の2GBモデルが34538円、4GBモデルが42098円(12日現在、Amazon)。「Chromebook C720」は32184円で予約を受け付けている。
今後、Windowsに続き、Chrome OSのタブレット端末も登場するのではないかという臆測もある。加熱する国内のパソコン・タブレット市場。ますます「Chrome OS」から目が離せない。