テイラー・スウィフト、LGBTQへの差別を禁止する法案に賛成するよう訴える
テイラー・スウィフト、LGBTQへの差別を禁止する法案に賛成するよう訴える

 2019年5月中旬にLGBTQへの差別を禁止するEquality Act(平等法)が米下院を通過したが、上院への提出を前にテイラー・スウィフトが、米テネシー州上院議員に対し賛成票を投じるよう働きかけた書簡をインスタグラムで公開した。

 米国のLGBTQプライド月間である6月の初日にテイラーは、自身が有権者登録しているテネシー州の上院議員ラマー・アレクサンダーに送付した手紙を公開し、平等法が採択されることの重要性を訴えた。

 この手紙で彼女は、「アメリカ市民が、自分が愛する人や自分のアイデンティティーによって就労や入居が拒否されるのは、反アメリカ的であり残酷だと思います。自分の信仰の自由が妨害されると言う人々がいることも知っていますが、何百人ものテネシー州の信仰指導者たちが最近(そしてとても声高に)これに異論を唱え、LGBTQコミュニティーを擁護する発言をしています」と綴っている。

 政治発言をしないことで知られていたテイラーは、2018年秋の中間選挙前に初めて政治と選挙に関する意見を公にした。当時彼女は、「LGBTQの権利のための戦いを私は信じていますし、性的嗜好やジェンダーに基づいたあらゆる差別は間違っていると信じています。この国でいまだに見られる組織的な人種差別は恐ろしく、不快で、蔓延しています」と綴り、反LGBTQの候補には投票しないと明言していた。

 今回の手紙で彼女は、テネシー州で“Slate of Hate”と呼ばれる反LGBTQ法案が可決されようとしている現状についても言及している。Amazon、IKEA、NIKEなどを含む約30の大企業と100の地元中小企業がこれに反対の立場を表明していることを指摘し、テネシー州の雇用に大きな打撃になると訴えている。

 平等法は、共和党が多数を占める上院で採択される公算は低い上に、保守的なトランプ大統領が拒否権を発動する可能性も高いとみられている。テイラーは大統領のスタンスについて、「自分の政権が“すべての人々が平等に扱われることを支援している”と言いながら、平等法は“現在の形では親の権利や良心の権利を弱体化させる毒薬条項が詰め込まれている”などと言う大統領のスタンスを、個人的に認めません。ノー。コミュニティーを支援する立場を取りながら、すぐさま“良心”やら“親”の権利に反するなどと非難するなんておかしい」と強い調子で批判している。

 テイラーは2019年4月に、テネシー州で差別的な法律制定と戦い、地元LGBTQコミュニティーを支持しているTennessee Equality Projectに11.3万ドル(約1,200万円)を寄付した。