日本テレビの大晦日年越し番組と言えば、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の"笑ってはいけない"シリーズ。番組制作陣が用意した笑いのトラップにハマり笑ってしまうと罰を受けるというシンプルな企画で、昨年の年越しも、「絶対に笑ってはいけない地球防衛軍24時」が放送され、話題となりました。最近では、スパイ、空港、熱血教師、地球防衛軍という流れで企画を展開。今年の年末のテーマは何になるのか、今から注目が集まります。
そんな神企画の生まれた経緯について、同番組のほか、『踊る!さんま御殿!!』『夜のから騒ぎ』などのヒット番組を手がける名物プロデューサー、ガースーこと菅賢治氏が、自著『笑う仕事術』のなかで明かしています。
実は、"笑ってはいけない"の企画が誕生する以前から、ダウンタウン松本人志さんの"笑ってはいけない"は始まっていたようです。それは『ガキの使い』の会議のこと。松本さんは、突然意味もなく変装を始め、重たい雰囲気の会議の中で、他の演者たちがどこまで笑うのを我慢するか試していたのです。
そんな松本さんが、ある日一言を発しました――笑ったら引っぱたかれるってどうですか?――
菅氏を始め、制作サイドとしては、「あえてお笑いを禁止する」ということは、なかなか発想しにくいものでしたが、この一言がきっかけで、現在の"笑ってはいけない"が生まれたのです。
「それを聞いて、ボクは『ああ、やっぱりこの人は天才なんだな』って思いました。非常にシンプルでわかりやすいですよね。ボクらはダウンタウンのふたりが引っぱたかれる単純な映像しか思い浮かばなかったのですが、それは『面白い!』と直感しました」(同書より)
そんな"笑ってはいけない"シリーズですが、当初は笑った際の罰は、今のスタイルではなかったことのを覚えてますでしょうか。2007年~8年のレギュラー放送内の『松本チーム罰ゲーム 絶対に笑ってはいけない温泉旅館一泊二日の旅』では、吹き矢が使われていたのです。
この吹き矢、見た目は凄く痛そうに見えるのですが、実際はそれほど痛いものではないと同書で菅氏は明かしています。ただ、激しいビジュアルのせいで反響も大きかったそう。
「おかげで反響がものすごく悪いほうに大きくて(笑)。『じゃあ、引っぱたくでいいじゃん』ということで、2回目から笑った罰としてケツを引っぱたくという、今と同じ形になりました。ただ、吹き矢なんかよりも、お尻を引っぱたかれるほうが本当にアザができるぐらい痛いんですけどね......」(同書より)
今から楽しみな年末の"笑ってはいけない"シリーズ。今年の企画は一体何になるのでしょうか。また、ダメージの大きい罰ゲームは改善されるのか。情報の解禁まで、楽しみに待ちたいところです。