これまでのiPhoneやiPad、iPod Touchでは、日本語入力システム(日本語IME)としてiOSに元々組み込まれているものしか使用できなかった。同じくアメリカで開発されたAndroid OSでは、別途IMEアプリをダウンロードして自由に変更することができるのに、なぜiOS は? と不満に思う日本人ユーザーも多かったはず。

 9月18日(日本時間)から提供が始まったiOS 8は、そんなユーザーの声に答えるかのように、アップル以外の会社が作るサードパーティー製の日本語IMEを利用できるようになった。

 例えば、ワープロソフト「一太郎」などで知られるジャストシステムの「ATOK」iOS版では、「こんぼにえ」と打ってしまっても「コンビニエンスストア」という候補を表示したり、「うる覚え」と入力しても「うろ覚え」という正しい言葉を変換候補に出したりするなど、痒い所に手が届く機能も備えている(価格:1500円)。

 また、ジャストシステムの創業者が独立して起業したソフトウエア企業MetaMojiは、手書き入力が可能な「mazec」の提供を開始した。こちらは、画面を手でなぞったり、スタイラスペンで手書きしたりすることで、自動的に文字を判別し、入力してくれるソフトだ。メール、ブラウザ、アプリなど種類を問わず入力できるのが特徴だ。直感的に入力ができるので、キーボード入力を苦手と感じるシニアの人でも扱いやすいかもしれない。更に、漢字の読み方をど忘れした時にも書けば答えが得られるので役立ちそうだ(価格:900円)。

 このほか、中国のソフトウエア企業バイドゥが提供する「Simeji」は、Androidスマートフォンの文字変換入力ではおなじみのソフトで、キーボードのデザインをカラフルなものに変更できたり、多数の絵文字や顔文字を変換できたりするのが特徴だ(無料)。

 ちなみにGoogleが提供する「Google 日本語入力」はまだiOSには対応しておらず、こちらの動向も気になるところだ。

 ユーザーにとって文字変換の問題は決して小さくはない。プライベートでしか携帯を使わない人なら無料でsimejiを、仕事で利用している人なら有料でもATOKを選ぶなど、TPOに合わせて自分に合った変換ソフトを手に入れてみてはいかがだろうか。