2014年9月9日(現地時間)に全容が発表されたアップルの新型iPhone。今回は、4.0型画面のiPhone 5s やiPhone 5cよりも大きな、4.7型画面のiPhone 6と、5.5型画面でいわゆるファブレットサイズのiPhone 6 Plusの2種類が発売される。また、NFCを搭載したことで、店頭の読み取り機を利用したクレジットカード決済などができる機能「Apple Pay」や、「Apple Watch」という腕時計型の端末と連携するのも特徴だ。毎度のことながら、新型のiPhoneに大きな注目が集まっているが、AndroidOS搭載のスマートフォンからも目が離せない。
※ファブレット:スマートフォンとタブレットの中間サイズ製品を言い表す造語
9月5日から10日までドイツ・ベルリンで開かれた家電製品の世界最大級の見本市「IFA2014」では、14万5000平方メートルの展示スペースを設け、1493社が出展した。この見本市は、各社が毎年スマートフォンやタブレットなど多くのモバイル機器の新製品を発表する場にもなっており、今年も多数の製品が発表された。その中でも注目の製品をいくつか紹介したい。
ソニーは、スマートフォン「Xperia(エクスペリア)」シリーズの最新機種、「Xperia Z3」を発表。高いデザイン性で人気となった「Xperia Z」(2013年1月発表)シリーズの4作目となる同製品は、今までに見られなかった全面ホワイトのボディを採用している。また、液晶画面のサイズは従来モデルの「Xperia Z2」と同じものの、厚さを0.9ミリメートル薄型化したことで、重さも11グラム軽くなり、従来よりも扱いやすくしたという。
同製品では、MP3やAACなどの圧縮音源をハイレゾ音源並みの音質に変換する独自の「DSEE HX技術」を新たに搭載しているのも特徴。また、最大約98%のノイズを低減するというデジタルノイズキャンセリング機能や、PlayStation 4のゲームをリモート操作できる機能も搭載するなど、音とゲーム機能へのこだわりが見られるソニーらしい製品だ。このほか、同じようにホワイトの外装をもった「Xperia」シリーズ初の8型画面の「Xperia Z3 Tablet(タブレット)」や、4.6型画面で本体幅を64mmに抑えた「Xperia Z3 Compact(コンパクト)」なども同時発表された。
また、サムスン電子は「ファブレット」の先駆けとして、2011年9月に発表された「Galaxy Note」シリーズの4作目となる「Galaxy Note(ギャラクシーノート)4」を発表した。同製品は、従来の「Galaxy Note 3」よりも画面の精細さが約1.8倍となる2560×1440ドットの高解像度な5.7型有機ELディスプレーを搭載する大画面モデルだ。また派生モデルとして登場した「GALAXY Note Edge(エッジ)」は、液晶画面の右側面に丸みを帯びた細長の画面を備えているが特徴だ。この画面にはよく使用するアプリをセットしておいたりメッセージなどを表示させたりできる。さらにデジタル式の定規としても利用できるという。カバーで本体の画面を覆っている時でも動画を見ている時でも、側面の画面で新着メールなどの情報が確認できるのは便利そうだ。また、この画面専用のアプリの開発も予定されているという。
なお、「Xperia Z3」と「Xperia Z3 Compact」はソニーがすでに日本への導入を決めており、今年の冬モデルとして発売される可能性が高い。また、「Galaxy Note 4」についても、これまでの販売実績から、日本に導入される可能性も高いとみられる。
iPhone 6やiPhone 6 Plusはこれまでの iPhoneと比べ、画面がずいぶん大きくなっており、これまで、より画面の大きなAndroidスマートフォンに魅力を感じていた人にとっても、魅力的に感じるかもしれない。とはいえ、iPhoneは依然、防水機能やワンセグ、赤外線通信機能など、日本の多くのAndroidスマートフォンに備わっている機能が付いていない。特に「Xperia Z3」は今回から防水・防塵機能を強化している。こうした点ではAndroidスマートフォンにも一日の長がある。これらのAndroidスマートフォンは、果たしてiPhone人気に対抗することができるか?