電動自転車の場合、ペダルから足を離しても走り続ける場合が多いので注意が必要(独立行政法人国民生活センター提供)
電動自転車の場合、ペダルから足を離しても走り続ける場合が多いので注意が必要(独立行政法人国民生活センター提供)

 電動アシスト自転車を購入したつもりが、公道を走れない電動モペッドだった――。

 PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、ここ数年、こういった相談が多数寄せられている。ネット通販で電動アシスト自転車だと思って購入したが、実際には電動アシスト自転車に外観が酷似した電動自転車だったというのだ。

 電動アシスト自転車と電動自転車は、外見は酷似していても、その性質や取り扱いは大きく異なる。電動自転車とは、ペダルを漕がずに動力のみで走行できる自転車のことで、電動モペッドなどとも呼ばれ、道路交通法上は、原動機付自転車(以下、原付)として扱われる。方向指示器やブレーキランプなどの保安器具を取り付け、ナンバープレートを取得し、保険に加入しなければ、公道を走ることはできないのだ。

 こうしたトラブルの原因は、通販サイト側の表記の曖昧さや、いい加減な知識によるものが多い。

 フル電動機能が搭載されているにも関わらず、ミスリードして電動アシスト自転車と誤認しやすい説明が書かれていたり、アシストモードだけを使用すれば公道を走れるなどと間違った説明が記載されていたりして、消費者が誤認して購入してしまうケースもあるようだ。

 また、販売店側でも電動アシスト自転車と電動自転車の区別がついておらず、電動自転車を電動アシスト自転車として納品しているケースもあった。売る側・買う側双方に誤解があるという割と深刻な状況だ。

 もし仮に電動自転車で公道を走った場合、無免許運転などの道交法違反や道路運送車両法違反に問われることになってしまう。これらの状況に対し警視庁交通総務課では、“「ペダル付電動自転車」の走行(使用)に注意してください!”と題した特設ページを用意して注意を促している。

 電動自転車は、電動アシスト自転車と比べて割安に設定されていることが多いが、間違って購入し、そのまま使用してしまうと、逆に高くついてしまう場合もあるのだ。価格や機能の説明などにまどわされないよう、自分でもある程度の知識を持つことが大切なようだ。