2014年1月に創立140周年を迎えた警視庁が、広報紙の読者や記念の特別展来場者、同庁のホームページ閲覧者を対象に、重大事件を選ぶアンケートを実施したところ、弁護士一家殺人事件や地下鉄サリン事件など、一連のオウム真理教事件(1995年~)を挙げた人が最も多い結果となった。2位は東日本大震災(2011年)、3位はあさま山荘事件(1972年)と続く。
アンケートは、2014年1月10日から5月6日にかけて実施。東京警視本署(現在の警視庁)が政府の討伐軍に加わった1877年の「西南の役(西南戦争)」から、2013年10月の「台風26号による伊豆大島災害」まで、同庁が関わった事件・事故・出来事100件から、1人につき3件までを投票する形式で行われた。6521人(有効投票者数は6464人)が投票し、有効投票数は1万8928票だった。
1位は、信者らが組織的な犯行を繰り返して多数の犠牲者を出した、「日本犯罪史上最悪」といわれるオウム真理教事件で、3711票が投じられた。「犯罪の未然防止の重要さとテロの恐ろしさを実感させられた」「マインドコントロールの恐ろしさを感じる」などが理由や感想として挙げられている。2位の東日本大震災(2084票)は「警視庁をはじめ、日本が一つになり救援にあたった」、連合赤軍が人質をとって立てこもった3位のあさま山荘事件(1586票)には「警察官は身を殺して犯人を無傷で逮捕した。警察官の責任感を感じた」などの意見が寄せられた。
他にも「長女が生まれる直前の大事故で、助かった少女の映像に涙し、長女に同じ名前を名付けた」(6位の日航機御巣鷹山墜落事故、1985年)、「牛乳を飲む前にいつも母が毒味してくれた」(8位のグリコ・森永事件、1984年)、「現場に居合わせ犯人逃走から確保まで110番で通報したが、犯人とすれ違うなど恐ろしい事件だった」(9位の秋葉原無差別殺傷事件、2008年)といった個人の生活に関連するものもあり、事件が社会に与えた影響の大きさがうかがえる。
未解決事件のうち、世田谷一家殺害事件(5位、2000年12月31日発生)、柴又女子大生殺人放火事件(31位、1996年9月9日発生)、八王子スーパー強盗殺人事件(11位、1995年7月30日)は、現在も特別捜査本部が設置されており、同庁が情報の提供を呼びかけている。
アンケート結果は、同庁のホームページで確認できる。また、東京都中央区の警察博物館でも6月29日まで展示している。
■アンケート結果(1~10位)
1位 オウム真理教事件(1995年~、3711票)
2位 東日本大震災(2011年3月11日、2084票)
3位 あさま山荘事件(1972年2月19日、1586票)
4位 三億円事件(1968年12月10日、1531票)
5位 世田谷一家殺害事件(2000年12月31日、920票)
6位 日航機御巣鷹山墜落事故(1985年8月12日、704票)
7位 女子高生コンクリート詰め殺人事件(1989年3月、654票)
8位 グリコ・森永事件(1984年3月18日~、529票)
9位 秋葉原無差別殺傷事件(2008年6月8日、511票)
10位 吉展ちゃん誘拐殺人事件(1963年3月31日、471票)
【関連リンク】
警視庁ホームページ
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/140year/rank_top.htm