西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)さん。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「『回春』のすすめ」。
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【もてる男】ポイント
(1)老いても性を大事にすべきだというのが私の主張
(2)春の訪れは人生に1度だけではないと考えるといい
(3)まだ回春していない人は、何歳からでも遅くはない
老いても性を大事にすべきだというのが、私の主張です。それについては、以前に書いたことがあります(2021年12月3日号)。
この間、臨床心理学者、河合隼雄さんの『「老いる」とはどういうことか』(講談社+α文庫)という本を紹介しましたが、河合さんも同様の主張をされています。
「『回春』のとき」という原稿で、「性の問題はあからさまに論じることによって、その本質を歪まされるようなところがある。また逆に、あまりにも日陰者扱いにするのも困る。したがって、なかなか語ることがむずかしいものだ」と述べた上で、「私は以前から、人間がその生涯のなかで、何度か『死と再生』を体験するように、結婚生活においても、離婚と再婚を体験する(できれば同一の相手と)ことが必要であると主張している。(中略)『回春』という言葉が示唆するように、春の訪れは人生に1度だけということはないと考えるといいのではなかろうか」というのです。励まされる言葉ですね。私など、もう妻を亡くしていますから、わざわざ離婚しなくても、いつでも回春OKです。
もうずっと昔ですが、スイスのルツェルンという町にあるパブロ・ピカソの美術館に行きました。そこで忘れられない展示に出会いました。それはピカソが描いた絵ではなく、老いたピカソのスナップ写真なのです。
その写真の中のピカソは肥満気味な体形で、決して男前とはいえません。年齢相応に肌も衰えています。ところが躍動感に満ちあふれているのです。傍には必ず、女性が写っています。